この記事にて、「構築次第では地雷デッキのような活躍を」と言っていたところ、本当にそんな感じの活躍をしていて、正直驚いているポフルです。
元々《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》自身の強さに注目していた玄人プレイヤーの方は多く、その人たちにとってこのデッキの入賞は必然だったのかもしれませんね。
では、今回はそんな《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》の強さを考察していきましょう。
カード情報
終の怒流牙 ドルゲユキムラ
水/自然文明 ジャイアント/アースイーター/シノビ
コスト8 パワー17000
■マナゾーンに置くとき、このカードはタップして置く。
■G・ゼロ:バトルゾーンに自分のジャイアントが4体以上あれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
■進化:自分のジャイアント1体の上に置く。
■T・ブレイカー
■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、クリーチャーを3体まで、自分のマナゾーンから手札に戻す。その後、自分の手札を3枚まで、タップしてマナゾーンに置く。
考察
性能についての考察は上に貼った記事に大体書いてあるので、振り返り程度にしておきましょう。
このクリーチャーを出すタイミングは、マナがそこそこ溜まった中盤以降になっていると思います。そのタイミングでマナ回収ができるというのは強力で、序盤にマナブーストによって置かれたシノビや他のフィニッシャーの回収に役立ちます。
このクリーチャーをG・ゼロの条件を満たして出しているのなら、マナゾーンのドルゲユキムラを回収することによって、序盤に並べたジャイアントウィニーをパワー17000のT・ブレイカーに変える事が可能となります。
ジャイアント4体が並んだ状態から、不意打ち気味に3打点持ちのクリーチャーを1体以上用意できるその性能はまさにシノビと言ったところでしょう。
環境に片足突っ込んだ要因は?
私が考察してみただけで、4つ挙げることができます。
まず第1に、このクリーチャーの踏み倒し能力である「G・ゼロ」が、召喚であるという点でしょう。
どういう事かと言うと、元々採用率の高かった《異端流しオニカマス》の影響を一切受けないという事ですね。
異端流しオニカマス
水文明 ムートピア
コスト2 パワー2000
■相手がクリーチャーを選ぶとき、このクリーチャーは選べない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)
■相手のターン中に、相手が召喚以外の方法でクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのクリーチャーを持ち主の手札に戻してもよい。
主流のメタカードの影響を受けないというのはそれだけで魅力です。
第2に、優秀なメタカードである《デスマッチ・ビートル》を無理なく採用できるという点でしょう。
デスマッチ・ビートル
自然文明 ジャイアント・インセクト
コスト2 パワー13000
■ガードマン
■このクリーチャーは攻撃できない。
■相手のターン中に、相手がコストを支払わずにクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーとそのクリーチャーをバトルさせてもよい。
こうしたメタカードというのは通常自分のデッキとのシナジーを考えずに採用されるものです。赤青レッドゾーンなんかがいい例です。別にオニカマスの上にレッドゾーンを重ねる事ができるわけでもないですし、レッドゾーンを出すスピードを速めるカードというわけでもないですよね。このようにして積まれたカードと言うのは、相手がそのメタカードの影響を受けないデッキだった場合死に札となってしまう危険性を持っています。
デスマッチ・ビートルは、種族が「ジャイアント・インセクト」です。これはジャイアントとしても扱うので、相手が踏み倒しをしないデッキだったとしてもドルゲユキムラのG・ゼロのサポートとして扱う事が可能なので、死に札とならない利点があるのです。
第3として、ドルゲユキムラの降臨スピードが他のデッキに負けない速さである事も特筆すべき点でしょう。
2ターン目にブーストカードを使い、3ターン目に《西南の超人》を出す事に成功した場合、4ターン目には《デスマッチ・ビートル》を1マナで展開できます。《西南の超人》を2マナで出せば、殆どのジャイアントを1~2マナで出す事が可能となり、一気に大量展開することが可能です。《ベイB ジャック》を使うまでもないです。
理想としては、4ターン目に西南を2体並べ、《剛撃戦攻ドルゲーザ》を出して手札を回復、余ったマナで残り1体ジャイアントを並べてドルゲユキムラを出すという流れになるでしょうか。一見非現実的に見えますが、パーツが全て自然文明なので、1ターン目《トレジャー・マップ》でこの展開を補助することが可能です。
西南の超人
自然文明 ジャイアント/サムライ
コスト4 パワー3000
■自分のジャイアントの召喚コストを最大2まで、少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
■セイバー:ジャイアント
そして第4。西南のセイバーによって、ドルゲユキムラに耐性を与える事が可能な点から、S・トリガーをある程度潰す事ができるという点が評価のポイントでしょう。
最近のトップメタのデッキがよく採用しているカードが《爆殺!!覇悪怒楽苦》ですが、前半の火力を西南で守ることができ(相手としてもそれは想定内なので、西南を直接狙う事になるでしょうが)スーパーボーナスに関しても、ドルゲユキムラを超えるパワーを持つクリーチャーを採用しているデッキはそうそう無いでしょう。
当然、単騎ラフルルのように完全にトリガーを封じているわけでは無いので過信は禁物ですが、特に対策しなくても自然と耐性が付いているという点が優秀な点なのです。
以上4点が、ドルゲユキムラを環境に片足突っ込ませた要因となっているのでしょう。
どんなデッキで対策できるのか
このデッキでは、西南を展開するまでのドロー能力に難があります。
サーチ自体は上で挙げた《トレジャー・マップ》や、トリガーとしても使える《ドンドン吸い込むナウ》で可能ですが、手札の総数を増やす事は出来ません。序盤からハンデスを飛ばす事ができるハンデス系統がいい仕事をするでしょう。防御の要であるシノビを叩き落とす事にもつながります。
ただし、ドルゲユキムラ側も《霧隠蒼頭龍バイケン》を採用可能なので、完全な対策とは言えません。
《百発人形マグナム》のようなカードを採用したデッキならば、ドルゲユキムラのG・ゼロを封じることに繋がります。また、サザンルネサンスに採用できる《制御の翼オリオティス》もこの対策になりますね。《獣軍隊ヤドック》もいいかもしれません。
この中でも《制御の翼オリオティス》は他の踏み倒しデッキに対しても有効な対策カードとなり、心強い味方になるでしょう。
ドルゲユキムラを使う側としても、こうしたメタカードの存在は意識する必要はありますね。
まとめ
まだまだトップメタとまでは行っていないデッキではありますが、忘れたころにポッと出てきて倒される危険性を持ったデッキです。
サーチカードやドロー補助、メタカードの存在からバランスの良いデッキで、堅実な強さを見せてくるデッキなので、頭の片隅にこういうデッキがいるという事を意識する必要はあるでしょう。
なんにせよ、「風雲!!怒流牙忍法帖」は「アルカディアス鎮魂歌」と比べると地味な印象こそ受けるものの堅実な強さを持ったデッキなので、初心者から上級者、はたまた復帰勢にまでお勧めできる優秀な構築済みデッキだと言えるでしょう。
手に取ってその堅実な強さに惹かれたのであれば、《デスマッチ・ビートル》などのメタカードも集めてさらに強力なデッキを作っていくのもいいかもしれませんね。
以上。ここまで絶賛しながら私自身がドルゲユキムラを持っていないのです。ポフルでした。
だれか《怒流牙 サイゾウミスト》ください。